土性等各種情報が見られる農耕地土壌図の案内 |
当協会が提供している農耕地土壌図データ(CD-ROM)は、全国の土壌の種類の分布状況が見れるだけではなく、土性の分布状況、代表土壌断面データ等をパソコン上で見ることができ、営農現場で活用しやすくなっています。
1.特色
当協会の土壌図データは、GISで利用できる形式で収録されており、様々なソフトウェアやアプリで活用することができます。
このため、国土地理院の地形図やグーグルアースの画像を背景図に用いることができるとともに、土性や代表断面のデータ等も取り込んで見ることができます。
(※土壌図データCD-ROMの利用には、別途ソフトウェアが必要になります。CD-ROMにソフトウェアは含まれておりませんので、市販やフリーのGISソフトウェア、またはGoogleEarth(パソコン用)を導入してください。)
2.土壌図データに収録されている内容
土壌図データは、CD-ROMに収録されており、その内容は次のとおりです。
(1)土壌図データと属性データ
土壌図データは、ベクトル土壌図とその属性データから構成されています。ベクトル土壌図は、農耕地土壌を面的に表示するもので、その属性情報として土壌統群名等があります。
データ形式は、GIS で利用することができるシェープファイル等で収録されています。また、KMZ形式で収録しているデータは、最近の土地利用を反映したグーグルアースの画像を背景図とし、土壌図や土性(表土、次表土)の分布状況がわかる土性図として見ることができます。
GISによる土壌図の表示例(背景は地形図) | グーグルアースによる表示例 |
土性図(表土の土性)の表示例 | 土性図(次表土の土性)の表示例 |
(2)代表土壌断面データ
全国約2万地点の代表土壌断面情報には、断面形態情報や土壌理化学性のデータが収録されています。(主なデータ:腐植含量、CEC、リン酸吸収係数、礫含量、ち密度等(各表層と下層別))
代表土壌断面データ(CEC)の表示例 |
詳しいデータは地点(層位)ごとにExcel形式で収録されています。
3.土壌図の活用
各種土壌情報を土壌図に取り入れることができるので、新たな作物を導入する場合の適地適作の診断、施肥設計や土壌物理性の改良の診断により活用しやすくなっています。
(1)適地適作の診断
果樹類や根菜類は、特に土壌の有効土層の深さ、土性、腐植含量等によって収量や品質が大きく変化しやすい作物です。
(例えばリンゴは、有効土層が深く礫の少ない土壌が生育に適しています。一方、モモは、根の酸素要求度が高いので、土性としては礫質壌土のように下層に礫があるなど通気性、透水性の良い土壌が生育に適しています。)
各種土壌情報を取り込んだ土壌図では、導入作物の栽培予定圃場の土壌の種類とともに、土性の分布状況、有効土層の深さ、礫の有無、陽イオン交換容量(CEC)
、腐植含量等が推定でき、適地の診断がしやすくなります。
(2)施肥設計への活用
施肥設計に大きく影響する土壌診断項目は、養分の過不足以外では陽イオン交換容量(CEC)、リン酸吸収係数や腐植含量です。これらの項目は土壌の特性によるところが大きく、営農行為によってさほど変化しにくいものです。したがって、土壌図に取り込んだ過去の土壌データでも参考になります。
近年、砂土、砂壌土など陽イオン交換容量(CEC)の小さい土性の地域では、特に高温障害による水稲の品質低下や鉄等養分の溶脱による秋落ち現象が問題となっています。
次のグーグルアース表示の水田土壌では、河川(図の右上)に近い水田の土性(下層土(次表土))が砂質や砂質~壌質の水田が多く分布しており、この区域ではケイ酸等が溶脱し、高温障害を受けやすくなっています。このような土性図によって施肥改善対策を行うべき範囲がほぼ明らかとなります。
水田土壌の土性図(次表土) |
(3)土壌物理性改良のための診断
近年、農業機械の踏圧等により硬盤形成が進み、排水不良となっている圃場が多く見られます。硬盤形成は土壌の種類とともに、土性の違いによって形成されやすさが異なります。特に、土性が粘質な土壌ほどち密になりやすく、硬盤形成がされやすい傾向があります。
土性等の情報を取り込んだ土壌図ではこれらの硬盤形成のできやすさ等を面的に把握することができて、未然に改善対策を行うことができます。
4.土壌図活用上の留意点
各種土壌情報を取り込んだ土壌図では、より現地での診断がより適切に行いやすくなりますが、圃場の理化学性の診断項目の中には営農行為により変化しやすいものがあります。特に、pHや電気伝導度(EC)とともに窒素、リン酸、加里等の養分は、施肥によって変化しやすく、また、土壌物理性についても、表土は有機物の施用等により変化しやすい性格があります。
土性、CEC等の情報を取り込んだ土壌図は、比較的営農行為で変化しにくい項目を面的広がりで見て、大まかな診断を行っていく上で適当です。
例えば、現在、借地により規模拡大が進められていく中で、土性、CEC等を取り込んだ土壌図により、同一の土性等の面的広がりを見て高温障害の受けやすい土性等の圃場を改良していくために活用していくことが可能です。
各種土壌情報を取り込んだ土壌図では、面的広がりの中での診断を行い、営農行為で変化しやすい表土の化学性や物理性については、対象圃場で土壌診断を行い、改善していくことが望ましいと考えられます。
頒布価格(税込)
全国版:¥220,000- 地域版(1ブロック)¥55,000-
県単位版:¥9,900- (県単位版は送料220円が別途かかります)
注)土壌図データCD-ROMの利用には別途ソフトウェアが必要になります。CD-ROMにソフトウェアは含まれておりませんので、市販やフリーのGISソフトウェア、またはGoogleEarth(パソコン用)を導入してください。 |
※当データはサイトライセンスです。データの利用は申込書に記入して頂いた使用場所(~課、室など)に限ります。(使用範囲であればデータを利用するパソコンや人数に制限はありません) |
データ形式
ベクトル土壌図データ (※属性項目一覧はこちら) |
shp(シェープファイル) | 日本測地系、世界測地系 | 座標系:緯度経度 | ||
tab(マップインフォ用) | 日本測地系 | ||||
kmz(グーグルアース用) | 世界測地系 | ||||
代表土壌断面データ★ (※属性項目一覧はこちら) |
Excel、shp(シェープ・ポイント) | 日本測地系、世界測地系 | |||
ネームファイル |
Excel、dbf | ― | ― | ||
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